HOKURIKU WONDERLAND

In search of “unreal” in the real.

ぼくが生まれたのは、1994年の初夏のこと。それからずっと富山で育ち、14歳にして初めてアメリカへ渡りました。そこで見るものはすべてが新鮮で、自分がそれまで見ていた世界がどれだけ狭いものだったのかを思い知らされたのでした。それがきっかけで外国の事をもっと知りたいと、大学へ入ると国際学を専攻し、海外を渡り歩き、スペインにも一年間の留学をして、メディアとコミュニケーションについて学びました。そのおかげで、外国のものごとについては他人よりも詳しく話せるようになりました。しかし、一方でいかに自分が自分の国について無知だったかを思い知らされたのです。そして、自分の生まれた町のことさえ知らないまま、遠く離れた土地のことを知ろうとしていたことに恥ずかしささえ感じたのです。それがきっかけで生まれ故郷に目を向けるうちに、だんだんと北陸愛に目覚めてきたのです。

大学にも同じ富山出身の同級生は多く、県外の学生とともに話すことがしばしばありました。そんな中、地元について聞かれると、富山出身のほとんどの学生が口を揃えて「富山には何もない。早く出ていきたい」と言うのです。しかし、聞けば彼らもまた富山のことをよく知らないまま、遠く離れた場所に憧れていたのです。なぜそうなるのだろう。北陸の人にこそ、北陸の良さを知ってほしい。そのうえでほかの場所を選ぶのは構わないけれど、何も知らないまま否定されるのはあまりに悲しい。この経験がきっかけとなり作品テーマとなる「HOKURIKU WONDERLAND」が生まれたのでした。

ぼくにとって、北陸という土地は不思議の国(ワンダーランド)。北陸にはまだまだ知らないものがたくさんあります。ぼくは、そのひとつでも多くを知りたい。そして、ほかの誰かに伝えたい。それから、すでに知っているものがもつ、気づかなかった一面もみんなに伝えたい。そう思うのです。

「灯台下暗し」という言葉はまさにこのこと。自分たちがいるその町のことほど知らないことが多いのです。北陸の人にこそ、北陸の良さを知ってほしい。それこそが、ぼくが北陸を撮る理由。

どんな日常のなかにも「あっ」と驚くような、非日常的な一瞬があるはずです。どんな見慣れた風景のなかにも心を動かされる一瞬があるはずです。もしかすると、すぐ近くの知らない場所にもそんな景色があるかもしれません。北陸は世界的に見ても恵まれた環境の地域です。自然がつくりだした高低差4000メートルのダイナミックな地形のなかに、何百年という歴史と文化が生きているのです。そんな北陸ですから、よく目を向ければきっと心を動かされる一瞬に出会えるはずです。あなたにとって「非日常」はどんな景色ですか?

2016年9月10日
大木賢

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